クラウドSIM技術を利用したモバイルWiFiルーターが、「月間通信容量無制限と宣伝しているのに、実は月間通信容量に上限がある」という口コミを目にします。
だけど悪い口コミがあるからと、クラウドSIMのWiFiルーターを無視するのはもったいないです。
このページで説明するクラウドSIMの技術とビジネスを理解すれば、見方が変わると思います。
最悪150GBという上限があったとしても、それでもなお、クラウドSIMのWiFiルーターはリーズナブルなサービスだと思います。
最後までご覧になり、あなたの参考になりましたら幸いです。なお、この内容は論理的な推察に過ぎませんし、責任は持てません。
SIMカードは無制限じゃない!
クラウドSIM技術を利用したモバイルWiFiルーターの利用者が使っているSIMカードは、月間通信容量無制限ではなさそうです。
ソフトバンクが提供しているのは、あくまで大容量プランであり、無制限にデータ通信ができるものではない点には注意が必要だ。同社の広報部は「ソフトバンクとして再販事業者向けに容量無制限での卸売は行っていない」と語る。「再販事業者が、無制限などのソフトバンクが承認できないサービス提供を行っていることを知得した場合、都度是正を依頼している」
“無制限ルーター”のトラブルはなぜ起きた? サービスの仕組みと障害の原因に迫る (2/3) | ITmedia
つまり、運営会社が調達しているSIMカードは、月間通信容量が有限のモノと推測できます。
運営会社のやりくりで無制限にしている
クラウドSIMなWiFiルーターの利用者は、一度には一つのSIMカードが利用できれば十分です。
月間通信容量の上限まで使ってしまえば、そのSIMカードは速度制限がかかってしまうでしょう。そのときは、次のSIMカードが利用できればOKです。
次から次へとSIMカードが使えれば、利用者にとっては月間通信容量無制限です。
運営会社が利用者の使用状況を監視して、使えるSIMカードが足りなくならないように、SIMカードを調達できれば、利用者が困ることはありません。
通信容量が残っているSIMカードを使い続けることができれば、利用者にとっては月間通信容量無制限です。
SIMカードが十分に供給されないことがある?!
SIMカードの供給や仕入れの実際は、利用者からは見えないです。
過去には、SIMカードの調達に問題が生じたことが、ITmediaの記事から伺い知ることができます。
クラウドSIMの仕組み上、ソフトバンク以外のMNO、MVNOからもSIMカードの供給を受け、それらを組み合わせることで無制限にすることはできる。木野氏も「逆ザヤにはなるが、SIMカードの調達はできる」といい、不足していた分の容量は、他社のSIMカードで補っていたことを認める。一方で、条件のいいソフトバンクのSIMカードに頼っていたのも事実。「仕入れ先がソフトバンクのSIMカードを調達できなくなった」(同)ことが、トラブルの引き金になった。
“無制限ルーター”のトラブルはなぜ起きた? サービスの仕組みと障害の原因に迫る (2/3) | ITmedia
利用者からしてみれば、逆ザヤ(売値が買値より安い)は関与できない話です。
運営会社には、何が何でもSIMカードを調達して、通信容量を確保して欲しいと期待します。
最悪、上限が100GB?!
「無制限!」はとても魅力的です。宣伝効果もあるでしょう。なんとか月間通信容量無制限を守ってほしいと思います。
しかし、ビジネスとして無理があるのでしたら、もう少し透明性を持ったサービスになっても仕方ないと思います。
例えば、「月間100GB保証」で、残りの全通信容量を公開するとか。「100GBを超えたら使えるかもしれないけれど、保証はできない」でも仕方がないと思います。
あるいは、前月の余裕(SIMカード/通信容量)を公開してくれれば、申し込みの判断材料にできます。
この件について、未来予測を断言している記事も目にします。
恐らく、今後クラウドSIMWiFiルーターは月間150GB上限もしくは、それが出来なければ消滅するでしょう。
パケット無制限WiFiルーターの「パケット上限」について考える。著しくネットワークを占有するレベルの大容量通信はどれくらい?| GreenWaves
150GBで足りる?
悪い口コミを目にしますが、150GBは使えるみたいです。
ところで150GBとは、どのくらいの通信容量でしょうか? 概算すると下表のようになります。
YouTube HD画質(720p) | 音楽 5MB/1曲 | ビデオ通話 FaceTime | ビデオ通話 Zoom/LINE | ビデオ通話 Skype | 映画 HD画質(720p) | |
---|---|---|---|---|---|---|
150GB | 225時間 | 3万曲 | 900時間 | 480時間 | 75時間 | 150作品 |
この表の意味は「これらがすべて行える」ではありません。
YouTubeだけを見たら225時間くらい使える」、「Zoomのビデオ通話だけなら480時間くらい使える」という意味です。
実際に使う時には、「YouTubeだけを見続ける」なんてありえません。いろいろなことで通信容量を使います。
150GBの上限であっても、メール送受信/インターネット検索/Webブラウジングはもちろんのこと、ノートPCでの普通の事務作業で困ることはなさそうに思いますが、いかがでしょう。
上限100GBでも安い!
クラウドSIM技術を利用したモバイルWiFiルーターは、月額3千円ちょっとです。(2020年6月)
(クラウドSIMではない)100GB保証のWiFiルーターレンタルサービスがあるなら、もっと高額になるでしょう。
(実用上は問題ないけど)古い端末機種を使っても、クラウドSIMなWiFiルーターよりわずかに安いだけです。
最安値保証WiFi の詳細は、「最安値保証WiFi」をやさしく解説 をご覧ください。
つまり、(だまされて100GBとか150GB上限であったとしても)クラウドSIM技術を利用したモバイルWiFiルーターはリーズナブルなサービスなのです。
3日で10GBのような短期的な速度制限もありません。
あなたは、100GBや150GBでも足りますか?
おわりに
通信容量無制限を実現するための、クラウドSIMの仕組みを説明いたしました。いかがでしたでしょうか?
利用者や通信容量の増加に対応するためには、運営会社によるSIMカードの調達が必要です。
新型コロナの影響による利用者や通信容量の急増が、運用を困難にしている背景もあります。
新しい生活様式では、普通のこと・・・動画を見る/テレワークをする・・・程度のことは通信容量を気にしないで、誰でも利用できれば良いと思います。
そのためには、モバイルWiFiルーターでも安価で大容量が使えることが必要です。
月間通信容量無制限と宣伝しているクラウドSIMなWiFiルーターの詳細は、下記をご覧ください。
無制限が宣伝文句で終わることなく、実際に使えることを願っています。
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